ご実家の将来について「いつかは空き家になるかも…」と、漠然とした不安を感じていませんか。全国的に増え続ける空き家問題は、もはや他人事ではありません。特に、親世代が住む家が将来どうなるのかは、多くの方にとって切実な悩みです。
この記事では、国土交通省のデータに基づいた「空き家予備軍率」の自治体ランキングをご紹介します。ランキングを通じてご実家のある地域の現状を把握し、将来の不安を解消するための具体的な対策を考える第一歩にしましょう。
空き家予備軍とは?国土交通省の定義を解説
空き家予備軍とは、文字通り「将来空き家になる可能性が高い住宅」のことです。具体的には、国土交通省によって明確な基準が示されており、社会問題として対策が急がれています。この定義を知ることで、ご自身の状況を客観的に把握できます。
あなたの実家も対象?空き家予備軍の基準
国土交通省が定義する空き家予備軍とは、「高齢者(65歳以上)のみの世帯が居住する持ち家」を指します。2018年の調査では、この空き家予備軍が全国に約829万戸も存在すると報告されました。親世代だけで実家に住んでいる場合、その家も空き家予備軍に該当する可能性が高いのです。
この数は戸建て住宅総数の約28.8%を占めており、年々増加傾向にあります。特に、団塊の世代が75歳以上になる2025年以降は、相続の発生が急増し、空き家予備軍が実際の空き家へ移行するケースが増えると懸念されています。
なぜ今空き家予備軍が社会問題なのか
空き家予備軍が問題視されるのは、将来的に管理不全な空き家が急増するリスクをはらんでいるからです。放置された空き家は、景観の悪化や不法投棄、倒壊の危険など、周辺地域の安全を脅かす原因となります。防災や防犯の観点からも、空き家を増やさないための早急な対策が求められています。
このような状況を受け、国は「空き家対策特別措置法」を制定し、自治体と連携して対策を進めています。空き家予備軍の段階から手を打つことが、深刻な社会問題への発展を防ぐ鍵となるのです。
【最新】空き家予備軍率の自治体ランキング
ここでは、最新のデータに基づいた空き家予備軍率の自治体ランキングをご紹介します。地方だけでなく、意外な地域も上位に入っているかもしれません。ご実家のある市町村がどのような状況にあるのか、ぜひチェックしてみてください。
全国ワーストランキング上位の市町村
空き家率の全国ランキングを見ると、特定の地域に集中する傾向が見られます。特に地方圏での割合が高く、人口減少や高齢化が深刻な影響を与えていることがうかがえます。総務省の最新調査では、和歌山県や徳島県が特に高い空き家率を示しています。
以下は、空き家率が高い都道府県のトップ5です。これらの地域では、自治体を挙げて空き家バンクの運営や移住促進に力を入れています。
| 順位 | 都道府県 | 空き家率 |
|---|---|---|
| 1位 | 和歌山県 | 21.2% |
| 1位 | 徳島県 | 21.2% |
| 3位 | 山梨県 | 20.5% |
| 4位 | 高知県 | 20.3% |
| 5位 | 鹿児島県 | 19.8% |
地方だけでなく首都圏も空き家予備軍が多い
空き家問題は地方だけの話だと思われがちですが、実は首都圏も例外ではありません。東京都は空き家の「実数」が全国で最も多く、約90万戸にものぼります。都心部であっても、相続後に誰も住まなくなった家が放置されるケースは少なくありません。
特に、かつてニュータウンとして開発された郊外の住宅地では、住民の高齢化が一斉に進み、空き家予備軍率が高まる傾向にあります。利便性の高いエリアであっても、対策を先延ばしにできない状況が迫っているのです。
空き家予備軍率が低い自治体の特徴とは
一方で、空き家予備軍率が低い自治体には共通した特徴があります。例えば、子育て世代の転入が多い地域や、大学や企業があり若年層の人口が安定している地域です。移住促進や起業支援などの政策が成功し、地域の活力が維持されていることが大きな要因と言えるでしょう。
また、住宅の流動性が高く、中古住宅市場が活発なエリアも空き家が増えにくい傾向にあります。これらの自治体の取り組みは、他の地域が空き家問題を解決する上でのヒントになるかもしれません。
空き家やその予備軍が増え続ける社会的な理由
なぜ、空き家やその予備軍はこれほどまでに増え続けているのでしょうか。その背景には、一つの原因だけではなく、少子高齢化やライフスタイルの変化など、複数の社会構造の問題が複雑に絡み合っています。
少子高齢化と人口減少が与える深刻な影響
最も大きな原因は、日本の急速な少子高齢化と人口減少です。親世代が亡くなった後、家を継ぐ子どもがいない、あるいは既に独立して持ち家があるため実家に戻らないケースが増えています。家を引き継ぐ人がいなければ、その家は空き家にならざるを得ません。
また、国全体の人口が減少しているため、住宅の需要と供給のバランスが崩れ、「買い手」や「借り手」が見つかりにくくなっていることも問題を深刻化させています。今後もこの傾向は続くと予測されています。
都市部への人口集中と地方の過疎化問題
若い世代が就職や進学を機に都市部へ移り住み、そのまま定住する「都市部への人口集中」も大きな要因です。これにより、地方では人口流出と高齢化が同時に進む「過疎化」が深刻化しています。生まれ育った実家があっても、仕事や生活の基盤が都市部にあるため、戻るという選択肢がないのが現実です。
その結果、地方圏では特に空き家が増えやすくなっています。地域のコミュニティが衰退し、インフラの維持が困難になるなど、空き家問題は地域全体の活力低下にも繋がっています。
固定資産税の仕組みが空き家を増やす一因に
意外なことに、税金の仕組みが空き家を増やす一因となっている側面もあります。土地の固定資産税は、住宅が建っていると「住宅用地の特例」が適用され、税額が最大で6分の1に軽減されます。老朽化した空き家を解体して更地にすると、この特例が適用されなくなり、税金が大幅に上がってしまうのです。
このため、解体費用を捻出できない上に、税金が上がることを懸念して、管理できない空き家をそのまま放置してしまうケースが後を絶ちません。法改正により状況は変わりつつありますが、依然として大きな課題です。
実家を空き家にしないための具体的な対策
「実家が空き家予備軍かも…」と気づいた今が、対策を始める絶好の機会です。問題が深刻化する前に、親子で話し合ったり、専門家の知恵を借りたりと、できることから行動に移していくことが大切です。
早めに親子で将来について話し合う重要性
最も重要で、かつ最初にすべきことは、親子で実家の将来について話し合うことです。親が元気なうちに、今後その家に住み続けたいのか、将来的にどうしたいのか、意向をしっかりと確認しておきましょう。感情的なしこりを残さず、円満な相続を迎えるためにも、オープンな対話が不可欠です。
誰が家を継ぐのか、売却するのか、あるいは賃貸に出すのか。選択肢を共有し、全員が納得できる方向性を見つけておくことが、いざという時のトラブルを防ぎ、スムーズな手続きに繋がります。
売却や賃貸など実家を資産として活用する
実家を「負の遺産」ではなく「資産」として捉え直す視点も大切です。誰も住む予定がないのであれば、空き家として放置する前に、様々な活用方法を検討しましょう。立地や状態によっては、売却して現金化したり、賃貸物件として家賃収入を得たりすることも可能です。
具体的な活用方法には、以下のような選択肢があります。
- 不動産会社に査定を依頼し、売却する
- リフォームやリノベーションを施して賃貸に出す
- 「空き家バンク」に登録して希望者を探す
- 民泊やシェアハウスとして活用する
自治体の相談窓口や専門家を頼る方法
空き家に関する悩みは、一人で抱え込む必要はありません。多くの自治体では、空き家問題に特化した無料の相談窓口を設けています。まずはこうした公的な窓口で情報収集をしたり、専門家のアドバイスを受けたりすることをおすすめします。
また、不動産会社や司法書士、税理士といった専門家は、売却、相続登記、税金対策など、それぞれの分野で具体的な解決策を提示してくれます。信頼できる専門家を見つけ、心強いパートナーとして頼ることが問題解決への近道です。
特定空き家に指定される前にできること
管理が行き届かず、倒壊の危険性や衛生上の問題がある空き家は、行政から「特定空き家」に指定される可能性があります。指定されると、固定資産税の優遇措置が解除されたり、改善命令に従わない場合は過料が科されたりします。最悪の場合、行政代執行によって強制的に解体され、その費用が請求されることもあるのです。
こうした事態を避けるためにも、定期的な見回りや草むしり、建物の補修など、最低限の管理を続けることが重要です。遠方に住んでいて管理が難しい場合は、空き家管理サービスを利用するのも一つの有効な手段です。
まとめ:空き家予備軍問題は他人事ではない
この記事では、空き家予備軍の自治体ランキングや、その背景にある社会問題、そして具体的な対策について解説しました。ランキングの結果を見て、ご自身の状況と重ね合わせ、問題の深刻さを実感された方も多いのではないでしょうか。
空き家予備軍の問題は、もはや一部の地域だけの話ではなく、日本全体が向き合うべき課題です。ご実家が大切な資産であり続けるために、そして将来の不安を解消するために、まずはご家族で話し合うことから始めてみてください。
空き家予備軍ランキングのよくある質問
日本で空き家率が最も高い都道府県は?
2023年に公表された総務省の調査によると、日本で最も空き家率が高い都道府県は和歌山県と徳島県で、どちらも21.2%でした。これらの県では、5軒に1軒以上が空き家という計算になります。人口減少や高齢化が深刻な地方圏で、空き家率が高くなる傾向が見られます。
次いで山梨県(20.5%)、高知県(20.3%)、鹿児島県(19.8%)と続いており、西日本の県が上位を占めています。これらの自治体では、空き家バンク制度や移住支援策を強化し、問題解決に取り組んでいます。
空き家数が一番多い自治体はどこですか?
空き家の「率」ではなく「数」で見た場合、最も多いのは東京都で、約90万戸の空き家が存在します。これは、東京都の総住宅数が他県に比べて圧倒的に多いためです。空き家率は10.9%と全国平均より低いものの、絶対数が多いことから都市部特有の空き家問題があると言えます。
次いで大阪府、神奈川県、愛知県、埼玉県と大都市圏が続きます。これらの地域では、相続されたマンションの一室が空き家になるケースや、再開発が進まないエリアでの老朽化した空き家が問題となっています。
最新の全国空き家率ランキングは?
総務省が5年ごとに実施している「住宅・土地統計調査」の最新結果(2023年)によると、全国の空き家率は13.8%で、過去最高を更新しました。空き家総数は約900万戸にのぼり、日本の住宅問題の深刻さを物語っています。
都道府県別の空き家率ランキング上位は、和歌山県、徳島県、山梨県、高知県、鹿児島県です。一方で、空き家率が低いのは埼玉県、東京都、神奈川県、沖縄県、宮城県などで、人口が増加傾向にある地域や都市部が中心です。
日本の空き家は今後も増え続けますか?
はい、専門機関の多くは、今後も日本の空き家は増え続けると予測しています。特に、団塊の世代が後期高齢者となり、相続が本格化する2025年以降に増加ペースが加速すると見られています。ある推計では、2040年代には全国の空き家率が25%を超える可能性も指摘されています。
この予測の背景には、止まらない人口減少と少子高齢化があります。住宅の供給数が需要を上回り続ける限り、空き家の増加は避けられない構造的な問題であり、国や自治体による抜本的な対策が求められています。
空き家が少ない県にはどんな特徴がありますか?
空き家が少ない県には、いくつかの共通した特徴が見られます。第一に、人口が増加している、あるいは減少率が緩やかであることが挙げられます。特に埼玉県や神奈川県、沖縄県など、若者や子育て世代の転入が多い地域は住宅需要が安定しています。地域の産業が活発で、雇用の場が確保されていることも重要な要素です。
また、中古住宅市場が整備されており、住宅の売買がスムーズに行われる地域も空き家が増えにくい傾向にあります。自治体が移住・定住支援に力を入れ、地域外からの人の流れを積極的に生み出していることも特徴の一つです。
