自然死は事故物件?告知義務と専門の買取業者に頼む注意点

ご実家や所有物件でご家族が自然死された場合、「この物件は事故物件になるのだろうか?」と不安に思われる方は少なくありません。売却時に告知する必要があるのか、価格が大幅に下がってしまうのではないかという心配は、大きな心の負担になりますよね。

この記事では、自然死した物件が事故物件に該当するケースや告知義務の範囲、そして一般的な不動産仲介では売れにくい物件をスムーズに売却するための専門買取業者という選択肢について詳しく解説します。最後まで読めば、あなたの不安が解消され、最適な売却方法が見つかるはずです。

目次

自然死した物件は事故物件になるのか

親が実家で亡くなった場合など、物件内で自然死が発生すると、それが事故物件として扱われるのか気になりますよね。実は、すべての自然死が事故物件になるわけではありませんが、状況によっては告知義務が発生し、売却に影響が出ることがあります。

ここでは、事故物件の基本的な定義から、どのような自然死が事故物件と見なされるのか、そして告知義務が発生する具体的なケースについて分かりやすく解説していきます。正しい知識を身につけ、落ち着いて対応するための第一歩としましょう。

そもそも事故物件の定義とは

一般的に「事故物件」とは、その物件で過去に人の死があったなど、買主や借主が住む上で心理的な抵抗を感じる可能性がある物件を指します。これは法律用語で「心理的瑕疵(かし)物件」と呼ばれ、自殺や他殺、火災による死亡などが典型的な例です。

一方で、老衰や病死といった自然死は、原則としてこの心理的瑕疵には該当しないと考えられています。しかし、亡くなられた状況によっては例外的に事故物件として扱われることがあるため、その境界線を正しく理解しておくことが重要です。

自然死でも事故物件になるケース

老衰や病死などの自然死であっても、発見が遅れてしまった「孤独死」のケースは事故物件として扱われる可能性が高くなります。特に、ご遺体の腐敗が進み、特殊清掃やリフォームが必要になった場合は、心理的な抵抗感が強まるためです。

このような状況では、買主に対してその事実を伝える告知義務が発生します。発見までの期間や室内の状態が、事故物件に該当するかどうかの大きな判断材料となるのです。物件の資産価値にも影響するため、慎重な対応が求められます。

発見が遅れた場合は告知義務が発生

自然死であっても、発見されるまでに時間がかかり、特殊清掃や原状回復工事が必要になった場合は、買主への告知義務が生じます。これは、次の入居者が心理的に不快感を抱く可能性がある「心理的瑕疵」に該当すると判断されるためです。

もしこの告知を怠って売却してしまうと、後から契約不適合責任を問われ、契約の解除や損害賠償を請求されるリスクがあります。たとえ自然死であっても、発見が遅れたという事実は、売却時に正直に伝える必要があると覚えておきましょう。

自然死物件における告知義務の範囲

自然死があった物件を売却する際、どこまで買主に伝えれば良いのか、告知義務の範囲は非常に気になるところです。この点については、国土交通省が定めたガイドラインが一つの基準となり、売主が負うべき責任の範囲を明確にしています。

この章では、そのガイドラインの具体的な内容や、告知義務が免除されるケース、そして義務を怠った場合の法的なリスク(契約不適合責任)について詳しく解説します。正しい知識を持つことで、トラブルを未然に防ぎ、安心して売却手続きを進めましょう。

国土交通省のガイドラインを解説

2021年に国土交通省が策定した「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」では、不動産取引における告知義務の基準が示されました。これによると、老衰や病死などの自然死は、原則として買主に告げる必要はないとされています。

ただし、発見が大幅に遅れて特殊清掃が必要になった場合など、社会通念上、買主の判断に重要な影響を及ぼすと考えられる特段の事情がある場合は、告知義務が発生する例外ケースとしています。このガイドラインが、現在の不動産取引における一つの判断基準となっています。

告知義務が免除されるケースとは

国土交通省のガイドラインでは、告知義務が不要となるケースも定められています。例えば、賃貸物件の場合、自然死や事件性のない不慮の死が発生してから、おおむね3年間が経過した場合は、基本的に告知する必要はありません。

また、売買物件においても、買主がその事実を知っていても契約したであろうと客観的に判断される場合や、日常生活の中で起こりうる不慮の事故(自宅の階段からの転落など)は、原則として告知義務の対象外とされています。ただし、判断が難しい場合は専門家への相談が賢明です。

告知義務違反で契約不適合責任に

もし告知すべき事実を隠して物件を売却した場合、売主は「契約不適合責任」を問われる可能性があります。これは、契約内容に適合しない物件を引き渡したとして、買主が売主に対して追完請求や代金減額請求、損害賠償請求、契約解除などを求めることができる権利です。

過去の判例では、告知義務違反によって多額の損害賠償が命じられたケースも少なくありません。後々の大きなトラブルを避けるためにも、告知義務のある事項については誠実に開示することが、売主としての重要な責任と言えるでしょう。

自然死物件は専門の買取業者へ売却

自然死があった物件は、買主の心理的な抵抗感から、一般的な不動産仲介市場ではなかなか買い手が見つからないことがあります。売却活動が長引けば、管理の手間や費用もかさみます。そこで有効な選択肢となるのが、専門の買取業者への売却です。

訳あり物件を専門に扱う買取業者であれば、複雑な事情を理解した上で、迅速かつ確実に物件を現金化できます。ここでは、仲介との違いや専門業者に依頼するメリットを詳しく解説し、なぜ買取が最善策となりうるのかを明らかにします。

一般的な不動産仲介では売れにくい

不動産会社に仲介を依頼して買主を探す方法は一般的ですが、自然死があった物件の場合、売却活動は難航しがちです。内覧希望者が現れても、告知の段階で購入をためらうケースが多く、売れるまでに長い時間がかかったり、大幅な値引きを要求されたりします。

また、近所に知られることなく売却したいという思いがあっても、仲介では広告活動が必須となるため、プライバシーの確保が難しい側面もあります。このような精神的な負担や売却期間の長期化が、仲介の大きなデメリットと言えるでしょう。

専門の買取業者に依頼するメリット

自然死物件を専門の買取業者に依頼することには、多くのメリットがあります。一般的な仲介とは異なり、買主を探す必要がないため、スピーディーな売却が可能です。業者によっては最短48時間での現金化も夢ではありません。

その他の主なメリットは以下の通りです。

  • 仲介手数料(売買価格の3%+6万円+消費税)が不要
  • 物件の欠陥や汚れなどを修復せず、現状のまま売却できる
  • 契約不適合責任が免除されるケースが多い
  • 周囲に知られることなく、内密に売却手続きを進められる

買取と仲介の違いをわかりやすく比較

「買取」と「仲介」、どちらが自分の状況に適しているのかを判断するために、両者の違いを明確に理解しておくことが大切です。買取はスピードと確実性を重視する方向け、仲介は時間をかけてでも高く売りたい方向けの方法と言えます。

以下の表で主な違いを比較してみましょう。

項目 買取 仲介
買主 不動産買取業者 個人・法人
売却価格 相場より安め(7~8割程度) 相場に近い価格
売却期間 短い(数日~1ヶ月程度) 長い(3ヶ月~1年以上)
仲介手数料 不要 必要
契約不適合責任 免除されることが多い 売主が負う

事故物件の買取相場はいくらになる?

自然死があった物件を売却する上で、最も気になるのが「いくらで売れるのか」という価格の問題でしょう。事故物件の買取価格は、一般的な物件の市場価格から一定程度下がることが避けられませんが、その下落率は物件の状況によって大きく異なります。

ここでは、自然死物件の買取相場の目安や、どのような要因が査定価格に影響を与えるのかを具体的に解説します。正確な売却価格を知るための第一歩として、まずは無料査定を活用することの重要性もお伝えします。

相場は通常価格から1~3割下がる

自然死があった物件の買取相場は、同じエリアや築年数の通常物件の市場価格から、おおむね1割から3割程度低い価格になるのが一般的です。自殺や他殺といった事件性の高いケースに比べると、自然死は心理的瑕疵の度合いが低いと判断され、価格の下落幅は比較的小さく済みます。

例えば、市場価格が1,000万円の物件であれば、700万円から900万円程度が買取価格の目安となります。ただし、これはあくまで一般的な傾向であり、最終的な価格は個々の物件の状態によって変動することを理解しておきましょう。

物件の状態が買取価格に影響する

買取価格を左右する最も大きな要因は、物件そのものの状態です。特に、孤独死などで発見が遅れ、特殊清掃や大規模なリフォームが必要な場合は、その費用が査定額から差し引かれるため、買取価格は低くなる傾向にあります。

その他にも、建物の築年数や劣化状況、立地の良し悪し、土地の形状といった不動産としての基本的な価値も査定に大きく影響します。物件の状態が良いほど、また人気のエリアであるほど、高額での買取が期待できるでしょう。

まずは無料査定で価格を確認しよう

ご自身の物件が具体的にいくらで売れるのかを知るためには、専門の買取業者に査定を依頼するのが最も確実な方法です。多くの訳あり物件買取業者では、無料で査定サービスを提供しており、電話やウェブサイトから気軽に申し込むことができます。

その際は、1社だけでなく複数の業者に査定を依頼する「一括査定」を利用するのがおすすめです。各社の査定額や対応を比較検討することで、最も良い条件を提示してくれる業者を見つけやすくなります。まずは行動を起こし、物件の価値を把握することから始めましょう。

信頼できる専門買取業者の選び方

大切な資産である不動産の売却を任せるのですから、業者選びは非常に重要です。特に事故物件の買取は専門性が高いため、どの業者に依頼するかで結果が大きく変わることもあります。悪徳業者に騙されることなく、安心して取引を進めたいものです。

ここでは、数ある中から信頼できる専門買取業者を見極めるための具体的なチェックポイントを解説します。実績の確認方法から査定内容の吟味、口コミの活用法まで、後悔しない業者選びのために知っておくべきことをご紹介します。

訳あり物件の買取実績を確認する

業者選びの最初のステップは、その会社が訳あり物件、特に自然死があった物件の買取実績を豊富に持っているかを確認することです。実績が多い業者は、複雑な案件への対応ノウハウが蓄積されており、スムーズで的確な取引が期待できます。

公式サイトに掲載されている「買取事例」や「お客様の声」は、その業者の実力を知るための貴重な情報源です。どのような状況の物件を、いくらで、どのように買い取ってきたのかを具体的に確認し、ご自身のケースと照らし合わせてみましょう。

査定価格の根拠を明確に説明できるか

査定を依頼した後は、提示された価格だけでなく、その金額に至った根拠を必ず確認しましょう。信頼できる業者は、「なぜこの価格になるのか」を市場のデータや物件の状態に基づいて、素人にも分かりやすく丁寧に説明してくれます。

良い点だけでなく、マイナス査定となった要因(例:特殊清掃費、リフォーム費など)についても内訳を明確に示してくれるかが重要な判断基準です。質問に対して曖昧な回答しかしない業者や、説明を渋るような業者は避けるのが賢明です。

口コミや評判も必ずチェックしよう

公式サイトの情報だけでなく、第三者からの客観的な評価も参考にしましょう。インターネットで「(業者名) 評判」や「訳あり物件買取センター 評判」などと検索すれば、実際にその業者を利用した人の口コミや体験談を見つけることができます。

もちろん、すべての口コミが正しいとは限りませんが、複数のサイトで同様の良い評判や悪い評判が書かれている場合は、信憑性が高いと言えるでしょう。特に、スタッフの対応の丁寧さや、手続きのスピード感に関するコメントは非常に参考になります。

注意すべき悪徳業者の見分け方

残念ながら、売主の知識不足や不安につけ込む悪徳業者も存在します。大切な財産を守るために、以下のような特徴を持つ業者には注意が必要です。少しでも怪しいと感じたら、契約を急がず、他の業者にも相談するようにしましょう。

  • 相場からかけ離れた高額な査定額を提示し、後から理由をつけて大幅に減額する
  • 査定額の根拠を明確に説明せず、契約を急かそうとする
  • 契約書の重要な部分を読み飛ばしたり、不利な条項を隠そうとしたりする
  • 会社の所在地が不明確であったり、宅地建物取引業の免許番号が確認できない

買取依頼から売却完了までの流れ

専門の買取業者に売却を依頼すると決めたら、次は具体的な手続きの流れを把握しておきましょう。全体像を理解しておくことで、各段階で何をすべきかが明確になり、不安なくスムーズに手続きを進めることができます。初めての方でも心配はいりません。

ここでは、最初の無料相談から始まり、査定、契約、そして最終的な決済・引き渡しに至るまでの一連のステップを、順を追って分かりやすく解説していきます。安心して売却を完了させるための道筋を確認しましょう。

無料相談から一括査定を依頼する

まずは、気になる専門買取業者のウェブサイトや電話窓口から、無料相談や査定を申し込みます。この段階で、物件の住所や状況、自然死が発生した経緯などを正直に伝えましょう。正確な情報を提供することが、後のスムーズな取引につながります。

前述の通り、最適な業者を見つけるためには、1社だけでなく複数の業者に同時に査定を依頼する「一括査定」が効果的です。各社の対応や査定額を比較することで、ご自身の物件を最も高く評価してくれるパートナーを見つけ出すことができます。

査定額の提示と契約内容の確認

相談後、業者は机上査定や現地調査を行い、正式な買取価格を提示します。査定額に納得できたら、次は売買契約の内容を細かく確認する段階です。契約書には、売買代金、支払い方法、引き渡し日、契約不適合責任の有無などが記載されています。

特に、どのような場合に契約が解除されるのか、追加費用が発生する可能性はないかなど、少しでも疑問に思う点があれば遠慮なく質問しましょう。すべての内容に納得した上で、契約に進むことがトラブルを避けるための鍵となります。

売買契約の締結と決済・引き渡し

契約内容に双方が合意したら、売買契約を正式に締結します。契約時には、売主様は本人確認書類や印鑑証明書、物件の権利証などが必要になります。契約締結と同時に、買主である業者から手付金が支払われるのが一般的です。

その後、契約書で定めた決済日に、残りの売買代金全額が支払われます。売主様は代金の着金を確認後、物件の鍵を買主に引き渡し、所有権移転登記の手続きを行えば、すべての取引が完了となります。これでようやく肩の荷が下りる瞬間です

まとめ:自然死物件は専門業者への売却が最善

自然死があった物件の売却は、多くの不安や疑問を伴いますが、正しい知識と適切なパートナー選びで乗り越えることができます。発見が遅れた場合などを除き、すべての自然死が事故物件になるわけではなく、告知義務の範囲もガイドラインで定められています。

そして、売却を考えたとき、最もスムーズで確実な方法は、訳あり物件を専門に扱う買取業者に依頼することです。仲介のように時間がかかることなく、現状のまま、周囲に知られずに売却できるメリットは計り知れません。まずは無料査定で相談することから始めてみてください。

自然死物件の売却でよくある質問

自宅での自然死は事故物件になりますか?

老衰や病死など、自宅での自然な看取りや突然死で、すぐに発見された場合は事故物件には該当しません。国土交通省のガイドラインでも、このようなケースでは買主への告知義務はないとされています。安心して通常の物件として売却活動を進めることができます。

ただし、発見が遅れてしまい、特殊清掃やリフォームが必要になった孤独死の場合は、心理的瑕疵があると見なされ、事故物件として告知義務が発生します。発見までの期間と物件の状態が、判断の重要な分かれ目となります。

事故物件だと黙って売るとどうなりますか?

告知義務があるにもかかわらず、その事実を隠して物件を売却した場合、後から「契約不適合責任」を問われるリスクが非常に高いです。これは、契約内容と異なる物件を引き渡したとして、買主が売主に対して法的な責任を追及できる制度です。

具体的には、売買代金の減額請求、損害賠償請求、最悪の場合は契約そのものを解除される可能性があります。一時的に高く売れたとしても、後々のトラブルでそれ以上の損失を被る恐れがあるため、告知義務は必ず守りましょう。

事故物件の売却価格はいくらになりますか?

事故物件の売却価格は、同じ条件の通常の物件と比較して、1割から5割程度安くなるのが一般的です。価格の下落率は、亡くなられた原因によって異なり、自然死(孤独死)の場合は1~3割減、自殺の場合は3割減、他殺の場合は5割減程度が目安とされています。

ただし、これはあくまで相場であり、最終的な買取価格は物件の立地や状態、築年数など様々な要因によって変動します。正確な価格を知るためには、複数の専門買取業者に査定を依頼し、比較検討することが不可欠です。

売却前にお祓いや特殊清掃は必要ですか?

お祓いについては、法的な義務はなく、売主様の気持ちの問題となります。買主の安心材料になる可能性はありますが、売却価格に直接影響することは少ないため、必須ではありません。専門の買取業者に売却する場合は、業者側で対応してくれることもあります。

一方、孤独死などで室内が汚損している場合は、特殊清掃が必要不可欠です。ただし、自分で業者を探して手配するよりも、買取業者にそのままの状態で買い取ってもらう方が、手間も費用もかからず、結果的に得をするケースが多いです。

避けるべき不動産業者の特徴はありますか?

残念ながら、売主の弱みにつけ込む悪質な業者も存在します。まず、宅地建物取引業の免許を持たない無免許業者は絶対に避けましょう。また、相場よりも著しく高い査定額を提示して気を引き、後から理由をつけて大幅に減額してくる業者にも注意が必要です。

その他、契約を異常に急がせたり、査定の根拠を明確に説明できなかったり、契約書の内容を曖昧にしようとしたりする業者も危険です。少しでも「おかしい」と感じたら、その業者との取引は見送り、他の信頼できる業者を探すようにしてください。

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