相続した実家など、空き家の売却方法で「仲介」と「買取」のどちらが良いか悩んでいませんか。それぞれにメリット・デメリットがあり、ご自身の状況に合わない方法を選ぶと後悔してしまうかもしれません。どちらの売却方法が自分に適しているかを知ることが、スムーズな売却への第一歩です。
この記事では、空き家売却における仲介と買取の基本的な違いから、それぞれの流れ、費用、注意点まで詳しく解説します。最後まで読めば、あなたの希望や物件の状況に合った最適な売却方法を見つけることができ、安心して手続きを進められるようになります。
空き家売却は仲介と買取どちらを選ぶべき?
空き家の売却方法には、不動産会社に買主を探してもらう「仲介」と、不動産会社に直接買い取ってもらう「買取」の2種類があります。高く売ることを優先するなら仲介、早さや手軽さを重視するなら買取が基本的な選択肢となります。
どちらの方法が最適かは、売主様の希望する価格、売却までの期間、手間をかけたくないかといった優先順位によって変わります。それぞれの特徴を正しく理解し、ご自身の状況に最も合う方法を選ぶことが、満足のいく空き家売却の鍵となります。
まずは基本の仲介と買取の違いを理解しよう
「仲介」は、不動産会社が広告などを通じて広く一般の買主を探す方法です。時間はかかりますが、市場価格に近い価格で売れる可能性があります。一方「買取」は、不動産会社自身が買主となり、直接物件を買い取る方法で、スピーディーな現金化が可能です。
売却価格や期間、手間など、両者には明確な違いがあります。例えば、仲介では仲介手数料が必要ですが、買取では不要です。以下の表で違いを確認し、どちらがご自身の希望に沿っているかを考えてみましょう。
| 項目 | 仲介 | 買取 |
|---|---|---|
| 売却価格 | 市場価格に近い | 市場価格の5〜8割 |
| 売却期間 | 3ヶ月〜半年以上 | 数日〜1ヶ月程度 |
| 仲介手数料 | 必要 | 不要 |
| 手間 | 内覧対応などが必要 | 少ない |
| 契約不適合責任 | 原則、負う | 原則、免除 |
あなたの状況に合うのはどっち?簡単診断
仲介と買取、どちらが自分に合っているか迷ったら、以下の項目をチェックしてみましょう。ご自身の状況や希望に当てはまるものが多い方が、あなたにとって最適な売却方法と言えます。売却において何を最も優先したいかを明確にすることが大切です。
この診断はあくまで目安ですが、売却方法を検討する上での参考になります。診断結果をもとに、より詳しい情報を集めていくことで、後悔のない選択ができるでしょう。まずは気軽にチェックしてみてください。
- 【仲介がおすすめな方】
- 少しでも高く売りたい
- 売却を急いでいない
- 物件の状態が良く、人気エリアにある
- 内覧対応などの手間を惜しまない
- 【買取がおすすめな方】
- すぐに現金化したい
- 手間をかけずに売却したい
- 近所に知られずに売却したい
- 物件が古い、または何らかの問題を抱えている
高く売るなら不動産仲介がおすすめ
空き家の売却において、売却期間に余裕があり、少しでも高い価格での売却を目指したい方には「不動産仲介」がおすすめです。市場の需要を反映した価格で取引できる可能性が高い点が最大のメリットです。
ただし、買主が見つかるまでの期間が不確定であったり、仲介手数料などの費用がかかったりする点も理解しておく必要があります。メリットとデメリットの両方を把握した上で、仲介での売却を進めるか判断しましょう。
仲介で空き家を売却する3つのメリット
仲介で空き家を売却する最大のメリットは、買取に比べて高く売れる可能性があることです。広告活動を通じて多くの購入希望者の中から最も良い条件の人を選べるため、市場価格に近い、あるいはそれ以上の価格で売却できるケースもあります。
また、不動産会社と相談しながら売主自身が売出価格を決められるのも魅力です。さらに、売却活動は不動産会社が行うため、専門的な知識がなくても安心です。納得のいく価格で売却したい方には最適な方法と言えるでしょう。
空き家の仲介売却における注意点とデメリット
仲介のデメリットは、売却までに時間がかかる点です。買主が見つかるまで平均で3ヶ月から半年、場合によっては1年以上かかることもあります。すぐに現金化したい方には向いていません。また、売買契約が成立すると仲介手数料が発生します。
購入希望者からの内覧対応や価格交渉など、手間がかかる場面も少なくありません。さらに、売却後に物件の欠陥が見つかった場合に責任を問われる「契約不適合責任」を負うのが一般的です。これらの点を許容できるかが、仲介を選ぶ上での判断基準になります。
仲介による空き家売却の流れと期間
仲介による売却は、まず不動産会社に査定を依頼し、媒介契約を結ぶことから始まります。その後、不動産会社が広告掲載やポータルサイトへの登録といった販売活動を行い、購入希望者を募ります。一般的に、売買契約まで3ヶ月〜6ヶ月程度を見ておくと良いでしょう。
購入希望者が見つかれば内覧対応を行い、条件がまとまれば売買契約を締結します。その後、買主の住宅ローン審査などを経て、最終的に決済と物件の引き渡しとなります。全体の流れと期間を把握し、計画的に進めることが重要です。
早く手間なく売るなら不動産買取が最適
相続した空き家の管理に手間がかかっている、すぐに現金が必要になった、といった事情がある方には「不動産買取」が最適です。売却活動や内覧対応が不要で、スピーディーに手続きが完了する点が最大の魅力です。
仲介に比べて売却価格は低くなる傾向にありますが、時間や手間といった精神的な負担を大幅に軽減できます。価格よりもスピードと手軽さを優先したい場合は、買取を積極的に検討する価値があるでしょう。
買取で空き家を売却する4つのメリット
買取の最大のメリットは、売却までのスピードが圧倒的に早いことです。不動産会社が直接買い取るため、買主を探す必要がなく、最短で数日から1ヶ月程度で現金化が可能です。急いで資金が必要な場合に非常に有効な手段となります。
また、買主が不動産会社なので仲介手数料がかかりません。内覧対応も不要で、近所に知られずに売却を進められます。さらに、古い空き家で心配な契約不適合責任が免除されるケースが多いため、売却後のトラブルを避けたい方にも安心です。
空き家の買取における注意点とデメリット
買取の最も大きなデメリットは、売却価格が仲介に比べて安くなる傾向があることです。一般的に、市場価格の5割から8割程度が目安となります。不動産会社はリフォームなどの費用をかけて再販するため、その分のコストが買取価格に反映されるためです。
また、物件の状態や立地によっては、買取自体を断られてしまう可能性もあります。複数の業者に査定を依頼しても、価格に大きな差が出ることがあるため、信頼できる不動産会社を見極めることが非常に重要になります。
買取による空き家売却の流れと期間
買取による売却プロセスは非常にシンプルです。まず、買取を行っている不動産会社に査定を依頼します。現地調査などを経て査定価格が提示され、その金額に納得できれば売買契約を結びます。査定依頼から契約まで、早ければ数日で完了します。
契約後は、定められた期日に代金の決済と物件の引き渡しを行って完了です。この一連の流れは、通常1ヶ月以内には終わります。複雑な手続きや交渉がほとんどなく、スムーズに売却できるのが買取の大きな特徴です。
空き家売却の仲介と買取を徹底比較
空き家売却を検討する際、仲介と買取のどちらを選ぶべきか、さらに詳しく比較してみましょう。売却価格だけでなく、期間や手間、売却後の責任といった様々な側面から違いを理解することで、ご自身の状況に最適な選択が見えてきます。
ここでは、売主様が特に気になるであろう3つのポイントに絞って、両者の違いを掘り下げていきます。それぞれの特徴を正しく把握することが、後悔しない売却への近道です。ぜひ、ご自身の優先順位と照らし合わせながらご覧ください。
売却価格と手取り額の違い
最も大きな違いは売却価格です。仲介は市場価格に近い価格が期待できますが、買取は市場価格の5〜8割程度になります。しかし、最終的な手取り額で比較検討することが重要です。仲介では、売却価格から仲介手数料や諸経費が引かれます。
一方、買取では仲介手数料が不要です。例えば、解体が必要な古い空き家の場合、仲介なら売主負担で解体費用がかかりますが、買取なら業者がそのまま買い取ってくれることもあります。表面的な売却価格だけでなく、差し引かれる費用も考慮して判断しましょう。
売却までにかかる期間と手間の違い
売却までにかかる期間と手間も大きく異なります。仲介は買主を探す必要があるため、3ヶ月〜半年以上かかるのが一般的です。その間、購入希望者の内覧対応や、場合によっては価格交渉など、売主自身が対応すべき手間が発生します。
対照的に、買取は不動産会社との直接取引なので、査定から決済までが非常にスピーディーです。最短数日で完了することもあり、内覧対応も不要です。時間的、精神的な負担をかけずに売却したい方にとっては、買取が圧倒的に有利と言えます。
売却後の契約不適合責任の違い
売却後のトラブルで注意したいのが「契約不適合責任」です。これは、売却した物件に契約内容と異なる欠陥(雨漏りなど)が見つかった場合、売主が責任を負うというものです。仲介で個人に売却した場合、原則としてこの責任を負うことになります。
しかし、買取の場合は買主が不動産のプロである不動産会社のため、特約によってこの契約不適合責任が免除されることがほとんどです。建物の状態に不安がある古い空き家でも、売却後の心配をせずに手放せるのは、買取の大きなメリットです。
空き家売却を成功させるための重要ポイント
空き家売却を成功に導くためには、仲介か買取かを選ぶだけでなく、事前に準備しておくべきことがあります。物件の問題点を把握し、信頼できるパートナーとなる不動産会社を選び、費用や税金の知識を身につけることが不可欠です。
これらのポイントを押さえておくことで、予期せぬトラブルを避け、スムーズで満足のいく売却を実現できます。少しの手間をかけることが、最終的に大きな差を生むことを覚えておきましょう。
売却前に確認すべき空き家の注意点
売却活動を始める前に、まず物件の現状を正確に把握しましょう。特に、隣地との境界が確定しているかは重要な確認事項です。境界が曖昧なままだと、売却時にトラブルの原因となり得ます。法務局で公図などを確認しておくと安心です。
また、室内に残された家財道具などの「残置物」をどう処分するかも決めておく必要があります。さらに、相続した空き家の場合、不動産の名義が被相続人のままになっていないかを確認し、必要であれば相続登記を済ませておきましょう。
信頼できる不動産会社の選び方
空き家売却の成否は、パートナーとなる不動産会社選びにかかっていると言っても過言ではありません。必ず複数の会社に査定を依頼し、その対応や査定価格の根拠を比較検討することが重要です。一括査定サイトを利用すると効率的です。
特に、空き家の売却実績が豊富な会社を選ぶのがおすすめです。地域の特性や、古い物件の扱いに慣れている会社は頼りになります。担当者との相性も大切なので、親身に相談に乗ってくれる、信頼できる担当者を見つけましょう。
空き家売却でかかる費用と税金の知識
空き家売却時には、様々な費用や税金がかかります。仲介で売却する場合は、仲介手数料が最も大きな費用となります。その他、売買契約書に貼る印紙税や、登記を移転するための登録免許税などが必要です。事前にどのくらいの費用がかかるか把握しておきましょう。
また、売却によって利益(譲渡所得)が出た場合は、譲渡所得税と住民税が課税されます。ただし、様々な控除制度が用意されています。どのような費用や税金が発生するのかを知っておくことで、資金計画が立てやすくなります。
相続空き家で使える3000万円特別控除とは
相続した空き家を売却する場合、一定要件を満たせば「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例」を利用できます。この特例は、売却で得た利益(譲渡所得)から最大3,000万円を控除できるという非常に有利な制度です。
適用には、相続開始から3年以内に売却することや、昭和56年5月31日以前に建築された家屋であることなど、細かい条件があります。ご自身の空き家が対象になるか、不動産会社や税理士などの専門家に確認することを強くおすすめします。
まとめ:空き家売却は状況に合う方法を選ぼう
空き家の売却には、「仲介」と「買取」という2つの方法があります。少しでも高く売りたいなら仲介、早く手間なく現金化したいなら買取が基本です。それぞれのメリット・デメリットを理解し、ご自身の優先順位に合った方法を選ぶことが成功の鍵となります。
どちらの方法を選ぶにしても、信頼できる不動産会社を見つけることが不可欠です。まずは複数の会社に査定を依頼し、専門家の話を聞いてみましょう。この記事を参考に、あなたにとって最適な売却方法を見つけ、空き家の悩みを解決してください。
空き家売却でよくある質問
空き家の売却はどこに相談すればいい?
空き家の売却は、まず地域の事情に詳しい地元の不動産会社や、空き家売却を専門に扱う不動産会社に相談するのが一般的です。インターネットの一括査定サイトを利用すれば、一度に複数の会社へ査定依頼ができて効率的です。
買取を希望する場合は、空き家買取を専門とする業者に直接問い合わせるのも良いでしょう。それぞれの会社の提案内容や担当者の対応を比較し、最も信頼できると感じた会社に依頼することをおすすめします。
売却にかかる費用や仲介手数料はいくら?
仲介で売却する場合、売買契約が成立した際に不動産会社へ支払う仲介手数料がかかります。この手数料は法律で上限が定められており、一般的には「売却価格×3%+6万円+消費税」が目安です。その他、印紙税や登記費用なども必要になります。
一方、不動産会社による買取の場合は、仲介手数料はかかりません。売却にかかる費用を抑えたい方にとっては大きなメリットです。ただし、その他の費用については契約内容によるため、事前にしっかりと確認しましょう。
相続した空き家の売却で使える税金控除はある?
はい、一定の要件を満たすことで、譲渡所得から最大3,000万円を控除できる「空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例」が利用可能です。この特例を適用できれば、売却にかかる税金の負担を大幅に軽減できる可能性があります。
ただし、適用には相続からの期間や建物の築年数など、細かい条件が定められています。ご自身のケースで利用できるかどうかは、必ず不動産会社や税理士といった専門家に相談して確認してください。
空き家を放置し続けるとどんなリスクがある?
空き家を放置すると、建物の老朽化が進み、倒壊や火災、犯罪の温床になるなど、様々なリスクが高まります。近隣住民とのトラブルに発展するケースも少なくありません。また、管理不全な「特定空家」に指定されると、大きなデメリットが生じます。
特定空家に指定されると、固定資産税の住宅用地特例が適用されなくなり、税額が最大で6倍に跳ね上がってしまうことがあります。こうしたリスクを避けるためにも、空き家は放置せず、早めに売却などの対策を講じることが重要です。
なかなか売れない空き家はどうすればいい?
仲介で長期間売れない場合は、まず売出価格が市場相場と合っているかを見直しましょう。不動産会社と相談し、価格の調整を検討します。また、ハウスクリーニングや一部リフォームで物件の印象を良くすることも有効な場合があります。
それでも売却が難しい場合は、不動産会社による買取に切り替えるのも一つの手です。訳あり物件や築古物件でも積極的に買い取ってくれる専門業者も存在します。諦めずに、様々な可能性を探ってみましょう。
